キノの旅 the Beautiful Worldのネタバレと感想【無料立ち読み】

タイトル キノの旅 the Beautiful World
原作・作画 時雨沢恵一・黒星紅白
出版社 KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

世界はただ広く、そして果ての無い場所。

残酷であるも、美しいと思える世界。

そんな世界の至る所に点在する国々や土地を巡る為に旅をするモトラド(注意・二輪車)のエルメスと、旅人の少女キノの終わりなき旅の物語。

彼女は行く、相棒のエルメスと共に、まだ見ぬ何かを知る為に。

サイト内で【キノの旅 the Beautiful World】を検索!

キノの旅 the Beautiful Worldのあらすじ紹介

旅人のキノと呼ばれる少女は、モトラドの(注意。

二輪車の事)エルメスと共に、旅をしていました。

彼女は何かをする為ではなく何かを得る為でもなく、ただ見知らぬ国々を巡り、その土地を知る為に旅する事を目的とした、一人の旅人でした。

おしゃべりな相棒のエルメスと一緒に、キノはとある国へと訪れます。

その国は入国審査が自動の機械で行われ、入国の歓迎も機械が行い、旅に必要な物を買いに店に入れば、自動で買い物ができる機械が応対し、お腹が空いてレストランに入ってみれば、メニューの受け取りも自動の機械が行い、調理も自動の機械が行い、国の中は、まったく人のいない、無人の国でした。

ホテルも自動の機械が案内をし、どこにも人がいる気配はありません。

エルメスも不思議がり、キノもなんで人が誰もいないんだろうと疑問符を浮かべます。

でも自動の機械が、何の支障もなくに動くのだからと、どこかに人がいるのだろうと、キノはエルメスと共に誰もいない国を巡ります。

かつては誰かが住んでいただろう街の中を進みますが、人っ子一人おらず、一日かけて探しても、どこにも人は誰一人いませんでした。

あるのは自動で動き、人間の代わりに働く機械だけ。

誰もいないのかなと、国で一番高い展望台からスコープで離れて並ぶ家々を覗いてみると、そこにはこの国の国民の姿がありました。

でも皆が一人で家に住み、家族も無く、誰とも触れ合う事も無くに、思い思いに時間を過ごしていました。

はたしてこの国には一体何があったのでしょう?

キノの旅 the Beautiful Worldのネタバレ・今後の展開

キノとエルメスが訪れた国は、国民同士が互いに合わないように過ごしている奇妙な国でした。

人に怯えるように、大きな家に一人だけで住み、時間を思い思いに過ごす、そんな人たちに会いに行こうとしますが、キノを見てすぐに家に入り込んでしまい、また隠れたりと、誰もキノと会おうとはしません。

そんな中でキノの三日の滞在は終えようとし、国を出ようとエルメスで走っている中で、機械の修理に夢中になってしまい、キノが傍によっていることも知らずに、隠れそこなった男性と偶然に出会ってしまいます。

彼はキノを見るなりに慌てて取り乱してしまいますが、キノが旅人である事を知り、また自分の考えていることが解ら無いのかと、またキノの考えが解ら無い事に喜びます。

キノとエルメスは取り残されながら疑問符を浮かべてしまいます。

彼はキノとエルメスを歓迎し、家の中へと案内してくれます。

そしてこの国がなぜに人と出会わなくなってしまったのか、その経緯を語ってくれました。

この国は科学力が進んだ国で、ある日、人の考えが言葉を交わさずに、出会うだけで伝わる様になる薬を開発しました。

人の痛みが解るようになれば、素晴らしい事だと国民全員がそう思い、国民すべては、その薬を飲んでしまいます。

でもその日を境に、この国は可笑しくなってしまったのです。

自分が思う全てが他人に筒抜けになってしまい、隠し事ができなくなってしまい、何気に思った事がすべて伝わってしまい、不信感や疑心暗鬼に囚われ、結果国民すべてが引きこもりになってしまい、誰とも関わらないようになってしまったと、キノとエルメスは男性からこの国の経緯を聞きます。

薬の効果を消すことは出来ず、このまま滅んでいくのだと、男性はその結末を受け入れていました。

かつて愛していた女性との破局と、彼女への想いを変わらずに持ち続けている男性の寂しさを知ります。

全ての話を聴き終え、キノとエルメスはその国から離れ、旅を再開していきます。

途中、男性がキノに抱いた想いをエルメスが茶化しますが、その想いを正確に知る事は出来ません。

キノは人の気持ちを知るすべをないのです。

この人の痛みを知る事の出来る国の行く末はどうなったかは知りませんが、キノとエルメスの旅はこれからも続いていきます。

サイト内で【キノの旅 the Beautiful World】を検索!

キノの旅 the Beautiful Worldの読んでみた感想・評価

「キノの旅」は電撃文庫にて発表されたライトノベル作品であり、著者を時雨沢恵一先生に持ち、イラストはサモンナイトシリーズで有名な黒星紅白先生によるイラストで透明な世界観を演出する作風で話題を呼び、今もなおも連載が続く名作として親しまれている作品です。

この作品は不思議な国々と土地を巡り、あてもなくに旅をする少女キノと、その相棒であるお喋りなモトラドことエルメスと一緒に世界を巡る物語となっており、当時のライトノベル作品では個性的な世界観と独特な表現と演出に注目が集まりました。

この作品の中で最も特出すべきなのは、この不思議な国々が存在する世界観を、旅人が見て、その国を知っていく事にあります。

また登場人物も連載を重ねるごとに増え、キノの師匠とその弟子の若き頃の物語や、復讐を遂げるために生きていたシズと、その彼に付き従う犬の陸と、ある経緯でシズと陸の仲間になったティーなど、数多くの登場人物達が、それぞれに抱く想いで国々を巡る、その物語の内容は、未だに色褪せる事は無く、様々な国の物語とその国に住む人物の個性などを楽しめる、そんな内容になっています。

また新たなる物語として、写真家のフォトと、その相棒である小型のモトラドであるソウの写真で巡る物語など、作者の時雨沢恵一先生の趣味が反映されている等、年を重ね、連載を重ねる中で広がりを見せ続けるキノの旅は、読者に、読む人に、様々な想いを抱かせてくれる作品でもあります。

遠くどこかへと行きたいと、不思議な旅をして見たいと、そんな人の想いを叶えてくれる作品です。

どこか知らない地を旅したい、そんな人におすすめ

どこかに旅をしてみたいと、そんな人のまず進めてみたい作品が、この「キノの旅」です。

不思議な国を巡り、冒険をしたいと、そんな思いを抱くも、そんな暇がなく、あくせくと日々をすごし、鬱積とした気持ちを抱く人の気持ちを和らげてくれる名作が、この作品の最大のテイストと言えます。

また心に残る暖かさが、この作品のもう一つの魅力とも言えます。

残酷な世界で、救いなき現実もありありと描かれ、ファンタジーの御都合が存在せず、ありのままに流れる世界の流動が、何一つに濁される事なくに、ただ一つの物語として描かれ、貫徹して現実の辛さを物語に織り込み、そんな残酷な世界であろうとも、世界は変わらずにそこにあり、また人が死のうとも、世界は終わらずに、多くの人を活かしているのだと、そんな短編ながらも、荘厳な意味合いも隠れ、読めば深い感動を覚える事の出来る、そんな、かつて見た童話の様な深い味わいのある作品が、この「キノの旅」の魅力とも言えます。

何気に始まった物語が、読んでみると深く、そして引き込まれる内容に仕上がり、旅を通して見る世界観が、多くの読者を、不思議な旅へと誘ってくれます。

また忙しくて長編を読む間がない、そんなゆとりが持てない人に、少しのゆとりと、休息を与えてくれる今作は、読んで癒しを得る事の出来る作品でもあります。

忙しい中で遠くへと行きたい、また心に優しさを持ちたい、そんな人に進めたい作品でもあります。

キノの旅 the Beautiful World
サイト内でを検索!
キノの旅 the Beautiful World
※試し読みは完全無料です!!