タイトル | フルメタル・パニック! |
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原作・作画 | 賀東招二・四季童子 |
出版社 | 富士見ファンタジア文庫 |
幼いころから戦場をわたり歩いてきた主人公相良宗介が日本の高校に通いながらヒロイン千鳥かなめの護衛任務をこなしていきます。
戦場が日常であった主人公が日本の高校で起こす奇想天外な行動を描いているSFアクションコメディです。
フルメタル・パニック!のあらすじ紹介
傭兵部隊ミスリルに所属する主人公相良宗介は戦争とは無関係な日本の高校生千鳥かなめを護衛するように命じられる。
それも今作に登場する人型ロボット、アームスレイブを用いての任務だ。
一般人である彼女に対しては過剰ともいえる護衛に疑問を持ちながらも同じチームのクルツ、マオとともに日本へ行く。
宗介は護衛対象と同じ年齢であるため同じ学校に入学、学業をこなしながらの任務となった。
護衛対象に気づかれずに護衛をこなすという難易度の高いミッションと今までの戦場生活から一変、平和な日本になかなか馴染めず、学校に銃を持ってくる、靴箱に爆弾を仕掛ける、運動場に地雷を埋めるなど、一般常識からは考えられない行動を連発する。
かなめからはストーカー扱いされる始末。
宗介自身も毎日ボロボロになって帰ってきていた。
かなめを狙うものたちも姿を見せず、クラスメイトが下着泥棒をしようと彼女の家のベランダに侵入しようとしただけであった。
それを止めようとした宗介はタイミング悪く彼女と鉢合わせてしまい、完璧に嫌われてしまった。
その後ミスリルから任務終了の知らせを受け、上官の気遣いで最後に修学旅行に参加したが、かなめは目も合わせてくれなかった。
しかし、沖縄へ行く飛行機の中でついにかなめを拉致しようとする敵が動きだす。
飛行機はハイジャックされ、北朝鮮へ着陸、周りには敵アームスレイブが飛行機に銃を突きつけ、かなめは連れ去られてしまう。
人質をとられ、味方もいない状況で宗介はかなめを連れ戻すことができるのか。
フルメタル・パニック!のネタバレ・今後の展開
ヒロイン千鳥かなめが敵組織アマルガムから狙われる理由、それはウィスパードという能力を持っていたからです。
ある特別な日に生まれた子供が持つその能力は、未来にある技術を現在に実用化できる段階にすることができます。
作中では1990年代を舞台にしていますが、巨大ロボットが実用化、不可視できる兵器、200メートルを超す潜水艦などが登場しており、ウィスパードがもたらした戦場への影響力が説明されています。
ウィスパードを拉致し、利用すれば新たな兵器の製造や技術の発見が容易になるため、かなめは狙われていきます。
そのかなめを守るために主人公相良宗介が活躍する物語、、、なのですが作中で戦争ボケと表現されている通り、靴箱にラブレターを入れられただけで爆破、野球で一塁を踏ませないために地雷を設置、購買のパンを買うために銃を発砲など、すべてが戦場に結びついて行動しています。
これらはギャグとして扱われているので死人は出ていません。
しかしこの行動の数々が意外な働きをすることもありました。
学校生活の中でヒロインに助けられながら日本の一般常識を身に着けていきます。
その中でお互いに惹かれあい、両想いになっていきますが作品中盤で千鳥かなめは敵にさらわれてしまい、ミスリルも壊滅、本当に宗介が一人になります。
クラスメイトに卒業式までに連れ戻すと宣言し、かなめを探しにいきます。
はたして宗介はかなめを連れ戻すことができるのでしょうか。
フルメタル・パニック!の読んでみた感想・評価
主人公の言動が非常に面白いです。
戦争ボケの説明の通り、常に臨戦態勢で日常を戦場に置き換えて行動しているので今まで見てきたギャグとは180度違いました。
それを主人公は大真面目にやっているのでさらに笑えます。
短編集がいくつか出ており、そこでは主人公の暴走ぶりが多く書かれているのでギャグだけ見たければ短編集を読んでみることをおすすめします。
ギャグだけではなく本編ではシリアスな場面が多くあり、ギャグから一変、緊張感のある戦場、壊滅する組織、連れ去られるヒロイン、恋に葛藤するヒロインたちなどSF要素も盛りだくさんです。
特に戦場を主体にした話ではロボットの動き、パイロットの心情、死んでいく戦友たちの情景が文字としてとてもわかりやすく書かれており、ミリタリー系の専門用語に僻易することなく読むことができました。
ラブコメ要素も面白く、ヒロインたちからのアプローチに困っている戦争ボケの様子や、プレゼントにケシの花を渡す様子は爆笑ものです。
物語としては主人公がヒロインをとおして銃がなくても生きられるように努力していく様子を成長として見ることができます。
強くなるために努力していくのではなく、戦争ボケを治していくという他では見られないようなストーリーが笑い、感動、緊張感をもたらしてくれます。
1巻を読むだけで主人公の奇想天外な行動に対し、次は何をしてくるのかと期待を膨らませ、続きが読みたくなること間違いなしです。
ギャグ、ミリタリー、ロボットが好きな方に超おすすめ!
SFものが好きな方、特にロボットが好きな方におすすめです。
機械的な描写が多く丁寧に書かれているので非常に読みやすいです。
SF要素はいらないという方でも短編集だけでも読んでみる価値はあります。
短編集は主にギャグばかりで本編より読みやすく、非常に面白いです。
キャラクターに魅力を求める方にもおすすめです。
主人公相良宗介は2008年このライトノベルがすごい!キャラクターランキングで男女総合1位をとりました。