有頂天家族のネタバレと感想【無料立ち読み】

有頂天家族
タイトル 有頂天家族
原作・作画 森見登美彦・
出版社 幻冬舎

日本の歴史を重ね、千年の歴史を持つ都こと京都。

人々は知らない。

自分達の身近には人間へと化けた狸がいて、空には当たり前の様に天狗が飛び、時には化かされ、時には化かしてしまうと、日常に紛れた不可思議な日々がある事を。

これはそんな有頂天な面白きことに満ちた物語である。

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有頂天家族のあらすじ紹介

千年の都であり王都でもある平安の地・京都。

この地には古来より人に化けた変化狸と、空の支配者として君臨する天狗などが、人間社会に溶け込みながらに暮らしていた事を人々は知らない。

また変化狸の社会にも大きな変化があった事を知らない。

糺ノ森に住む変化狸の名門である下鴨家において、かつて変化狸界の頭領でもあり狸界の顔役でもあった偽右衛門こと下鴨総一郎の訃報により、京都の狸界は大きな変革の時代を迎えていた。

人間達による金曜倶楽部よって狸鍋にされた偽右衛門の遺した下鴨四兄弟と、狸界を牛耳ろうと暗躍する夷川家の熾烈なる選挙合戦と、慌ただしい日々を向かえていた。

でもそんなことも構わずに、ゆかいな日々を送る下鴨矢三郎は、今日もかつての師である如意ヶ嶽薬師坊こと赤玉先生の元へと向かっていた。

ある事件で落ちぶれてしまった師の元へと向かう彼。

はたして今日は何が起きるのやら。

有頂天家族のネタバレ・今後の展開

かつては京都の天狗界にて名を馳せていた大天狗として、如意ヶ嶽を治めていた如意ヶ嶽薬師坊の異名を持っていた赤玉先生。

でも今はすっかりと落ちぶれてしまい、鞍馬天狗によって如意ヶ嶽の山々から京都の出町桝形商店街裏のアパートへと追いやられてしまう程に、かつての威厳もどこへやらと落ちぶれ果てていました。

自分の父親である下鴨総一郎と知己であった赤玉先生の落ちぶれた原因である、「魔王杉の事件」のきっかけを作ってしまったが故に、何かと赤玉先生の世話を焼く下鴨矢三郎。

でもそんな彼の優しさを素直に受け入れる事の出来ない赤玉先生は、自分のいる古いアパートに甲斐甲斐しく通う矢三郎に憎まれ口を叩きながらも、わがままを言って難題を吹っかけると、微かなプライドの充実の為に手を尽くします。

そんな赤玉先生に頼まれたのは、自分の教え子でもある弁天へと文を届けよとの事でした。

赤玉先生が一目ぼれをし、如意ヶ嶽へと連れ帰ってしまった弁天と呼ばれる女性。

かつては可憐な美少女でしたが、赤玉先生により天狗よりも天狗らしい女性へと成長してしまい、ついには赤玉先生を蹴落としてしまう程に成長してしまい、今では見向きもされていませんでした。

また先生が落ちぶれる原因を作ってしまった「魔王杉の事件」など、矢三郎にとっては会いづらく、また狸なのに惚れてしまっていると複雑な想いがありながらも、文を届ける為に金曜倶楽部が開かれている料亭へと赴きます。

金曜日に鍋を囲むと、自分の父親を食べてしまった倶楽部に通う弁天に、はたして文を届ける事ができるでしょうか?

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有頂天家族の読んでみた感想・評価

森見登美彦先生による、「たぬきシリーズ」の第一作でもある「有頂天家族」は、京都の街に住まう狸や天狗などの日常と生活の日々を、淡々と、また狸の家族愛などをテーマに描いたライトノベル作品でもあります。

アニメ化もされ、キャラクター原案には、代表作に「絶望先生」などで著名を持つ、久米田康治先生と、個性派色の強い作品であり、日本ではおなじみの妖怪である天狗や狸などを題材としている今作。

人へと化ける変化狸を主人公にし、狸の頭領を決める偽右衛門の選挙などと、どこか人間臭く、また人間社会に溶け込みながら、生活する狸の日常などと、目まぐるしく楽しき日々を送ると、今作の内容は実に賑やかな物語で綴られています。

頭領を巡るお家問題など、狸の世界も忙しないと、日本の古くから伝わる風習や伝統などを交え、それをコメディタッチに描き、群像劇の一環として演出される今作の内容。

それは主人公の下鴨矢三郎と、その家族を中心に描かれた家族愛も物語のテーマとして組み込まれています。

一族の事と、長男として狸らしからぬ固い生き方をしている下鴨矢一郎や、父親の死でやる気を失ってしまった下鴨矢二郎に、未だに変化が成れない下鴨矢四郎など、そんな息子達を大切に想う母親や、亡き父親を通して描かれる家族の物語など、実に読み応えのある作品でもあります。

平和な日常を守る為に奮闘する狸一家の団結力や、家族愛を通して描かれる物語を楽しみたい方におススメの出来る内容の作品です。

通常のホラーテイストではなく、コメディタッチで描かれている作品です

日本の古典的な作品感を持つライトノベル作品を読んでみたいなと、また日本古来からある妖怪や物の怪などが登場するも、ホラーテイストではなく、コメディタッチで描かれている、そんなライトノベルを読んでみたい人におススメできる作品が、今作の「有頂天家族」です。

作者である森見登美彦先生は、代表作に「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」などがあり、古く古典的な文法でライトノベル作品を手掛ける作者として知られている先生でもあります。

そんな先生が手掛けた「有頂天家族」は、最近ではあまり題材にされなくなってしまった、かつての日本文学の中では、ごく当たり前の御伽草子の題材とされてきた狸や天狗などを使い、物語が描かれている事に、今作の注目があります。

変化する狸が人間社会で溶け込んで暮らし、天狗なども人間として生きている等と、人間社会に融和しながら生き延びている、そんな彼らの日々が面白可笑しくに描かれています。

また彼らにも彼等なりの抱える事情があるのだと、群像劇のドラマ性などが込められ、物語をより深いものへとしてくれています。

古くからある文化や風習に振り回されながらも、自由気ままに生きようとする主人公の矢三郎と、天狗としての本分を忘れないとする赤玉先生など、個性的な面々で綴られる今作は、和風なライトノベル群像劇を楽しみたい人におススメの出来る作品とも言えます。

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