タイトル | 機動警察パトレイバー 風速40メートル |
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原作・作画 | 伊藤和典・高田明美 |
出版社 | KADOKAWA / 富士見書房 |
多足歩行型作業機械──レイバーの登場により、劇的に変化した日本の社会環境下において、多発化し、多様化するレイバー犯罪。
それらに立ち向かう為、警察は特科車両二課中隊こと特車二課を設立する。
98式AV「イングラム」パトレイバーに乗り、犯罪者に挑む、近未来ロボットアクションの決定作「機動警察パトレイバー」について!
機動警察パトレイバー 風速40メートルのあらすじ紹介
1995年に発生した東京南沖大地震によって壊滅した首都復興事業と、後の地球温暖化を見据えた海面上昇を考慮し、東京湾の大幅な改修を目的とした国家事業「バビロンプロジェクト」により、かつてない繁栄を見せる東京。
でもその裏側には、新たなる犯罪が発生するようになっていました。
急速なテクノロジーの発展により、かつて夢物語だった人が搭乗し、操縦するロボットこと汎用多足歩行型作業機械・レイバーによる重大事件に加え、東京湾の埋め立てを反対するエコ・テロリストなどの暗躍など、レイバーに関する犯罪が多発化していたのです。
その事件に対抗するために、警視庁は、対レイバー犯罪専門の部署を設立します。
それが特科車両二課中隊こと通称・特車二課。
パトロールレイバーことパトレイバーの登場でしたが、特車二課には問題児が揃っていました。
今日も今日とて問題を起こす特車二課。
イングラム一号機こと「アルフォンス」を操縦する泉野明と、彼女をサポートする篠原遊馬の迷コンビが、今日も悪に挑みます。
機動警察パトレイバー 風速40メートルのネタバレ・今後の展開
レイバー犯罪に対抗するために設立された特車二課は、海外の取材を受けていました。
でもその取材を面白く思わないと、特車二課第一小隊の隊長である南雲しのぶは、特車二課第二小隊の隊長・後藤喜一に詰め寄っていました。
何故に問題児の第二小隊が取材対象になるのか?
それは最新機種である98式イングラムを持っているからだと、後藤は気まずく応えます。
そんなくだらない理由でと、憤慨する南雲を尻目に、海外の取材が進んでいく中で、突如として重大事件が発生してしまいます。
街中で現れた、マシンガンを装備した軍用レイバーが暴走していると、出動を余儀なくされる特車二課第二小隊。
苦労の末に事件を見事に解決し、第二小隊の暴走男こと太田功の抑え役だった、香貫花・クランシーの帰国により、特車二課に新たな事件が発生します。
それは謎のレイバー暴走事故でした。
何の異常の無いレイバーが突如として暴走し、操縦不能となってしまう奇怪な事件。
それは自衛隊のレイバー暴走から始まり、やがてバビロンプロジェクトに関わる、一人のプログラマーによる犯罪の連鎖へと繋がる序章だったのです。
はたして特車二課第二小隊は、これらの陰謀を食い止める事ができるのでしょうか?
機動警察パトレイバー 風速40メートルの読んでみた感想・評価
機動警察パトレイバーのノベライズ作品である今作は、富士見文庫でかつて連載されていたライトノベル作品です。
機動警察パトレイバーを知っている人は、大抵がアニメか漫画で見たことがある人が多いと思います。
その中で、アニメの脚本を手掛けていた伊藤和典氏による今作は、アニメや漫画などでは楽しめない、文章で楽しむ事の出来る、パトレイバーのライトノベル作品とも言えます。
また今作は、あの映画版の機動警察パトレイバーの「機動警察パトレイバー the Movie」のノベライズ作品でもあります。
事件の前日談ともなる「アクセス」や、劇場版本編となる「風速40メートル」など、見どころが盛沢山な内容に加え、あのパトレイバーの世界を忠実に文章で描いている事に、この作品の面白さが凝縮されています。
ロボット作品のノベライズは難しいとされていた当時において、設定や特殊用語が多い作品を、こと細かに文章で描き、パトレイバーの世界観を織り込みながら、映画の内容をノベライズとして表現した今作は、映画を見た後に是非に読んでほしい作品です。
押井守作品が好きな人にはおすすめ
押井守作品が好きな人や、機動警察パトレイバーが好きな人に是非に読んでほしいのが、今回紹介する「機動警察パトレイバー 風速40メートル」です。
この作品は、あの機動警察パトレイバーの記念すべき第一会映画作品のノベライズ作品でもあります。
設定が細かな、あのパトレイバーの世界観を文章で表現された内容に加え、映画版のあの独特な映像表現などが見事に文章に表現され、緊張感のある展開や、おちゃらけなギャグの展開など、アニメや漫画で見たパトレイバーがそのまま楽しめる内容となっています。
映画を見た後に読めば、あのシーンは、こういう感じで文章で表現されているんだと、脚本家の伊藤和典氏の独特な表現が見どころとなり、またレイバーだけではなく、登場人物達の個性などが描かれている等、ドラマ性の楽しさなどが充実しています。
パトレイバーを当時に楽しんだ人や、これから楽しむ人に是非に読んでほしい、パトレイバーのノベライズ作品。
ロボット物を文章で読む楽しさや、パトレイバー独特なノリを楽しみたい人に、おススメしたい作品です。