魔術士オーフェンしゃべる無謀編のネタバレと感想【無料立ち読み】

タイトル 魔術士オーフェンしゃべる無謀編
原作・作画 秋田禎信・草河遊也
出版社 TOブックス

キエサルヒマ大陸最大の商業の街トトカンタ市で、モグリの金貸しを営む、黒魔術士のオーフェンは今日も借金回収に振り回されていた。

返済能力の無い地人兄弟に、しまいには無能警官に付きまとわれ、神出鬼没な変態執事にひっかきまわされていく彼の日々。

トトカンタの街に今日も彼の怒号と爆音が響き渡る。

これはそんな無謀な物語。

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魔術士オーフェンしゃべる無謀編のあらすじ紹介

商業で潤う街トトカンタ市で、非合法のモグリの金貸し業を営む、黒魔術士のオーフェンは、今日も借金回収に奔走するも、回収できる見込みはなかった。

返す当てもなく、返済能力皆無な地人兄弟である兄・ボルカンと弟・ドーチン。

兄の借金は自分には関係はないと逃げを決めるドーチンに、それを裏切りと叫ぶボルカン。

なんでこんな奴に金を貸してしまったんだろうと、今更ながらに後悔しても遅く、何とか借金を回収しようとオーフェンがさらに凄む中、一人の少女が助けを求めてくる。

話を聴いてほしいと、問答無用にボルカンの頭に渾身のエルボーを叩き込みながら、テーブルを粉砕し、彼を地面へと叩きつけ、場の静寂を支配してしまう彼女。

あまりにも見事なエルボーに身を引くオーフェンとドーチン。

砕けたテーブルの瓦礫に沈むボルカンを他所に、彼女は言う。

──助けてほしい!
と。

でも、そんな切なる声すらも吹き飛ばすボルカンの怒声が響く中、彼女の渾身の拳が、
「ひどい!」
と、一声と共にボルカンの顔面に正拳突きを打ち込み、そのままフックやアッパーと、キレに掛かった攻撃の連打が叩き込まれていく。

話す時に暴れずにはいられない、チャコール・グレイ家の次期当主であるミシリム・チャコール・グレイは、そんな困った悪癖にも気づかない、少し危ない少女だった。

そんな彼女から頼まれる依頼とは?
そして彼女を追って訪れた、黒服の男達。

面倒事と解っていても、金の匂いと謝礼の甘さに気を取られ、またもや面倒事に巻き込まれていく事を知らないオーフェン。

ボルカン・ドーチンの地人兄弟と共に、チャコール・グレイ家のお家騒動に無事に解決できるのか?

魔術士オーフェンしゃべる無謀編のネタバレ・今後の展開

かつてはエリートだった筈のキリランシェロことオーフェンは、塔を出奔し、流れに流れ世間の荒波にもまれてしまい、行きついた先はモグリの金貸し業を営む、ゴロツキと化していました。

かつてのあどけなさも無くなってしまい、人相もすっかりと悪くなり、性格も攻撃的と、斜視も鋭く、貧困生活を送るぐらいに困窮していた彼。

金を貸した相手も悪く、返済能力どころか返済する気すらもない、地人兄弟のボルカンとドーチンと、今日もすったもんだの口論を繰り広げますが、先に手を出したのは、とある名家のご令嬢でした。

トトカンタ市でも有数の名家でもあるチャコール・グレイ家の次期当主である、ミシリム・チャコール・グレイ。

なんでそんな御令嬢様が、オーフェン達に関わってしまうのか?
それは彼女が追われていたからです。

数日前から誰かにつけまとわれていると、オーフェン達を傭兵と勘違いし、助けを求めるも、彼女には助けが必要とは思えない程に……強かったのです。

そう、彼女はしゃべる時に思わず身体が攻撃的に動いてしまう悪癖を持つ、凄腕の血筋だったのです。

古くは王宮拳闘士の家系であるチャコール家と、天候見張り役の家系であるグレイ家の、由緒ある血を受け継ぐミシリム。

そんな攻撃と先読みの出来る才能を持っているが故に、意図せずに拳や蹴り技が炸裂してしまう危ない体質であり、身体の硬さが売りの地人のボルカンすらも一撃でのしてしまう程の戦闘力を持つ彼女ですが、本人はいたってその事に自覚は無く、あくまでもか弱い乙女だとの一点張り。

でも……実際に彼女を付け回す追手はいたのです。

オーフェン達の前に現れる、アンドン貿易の御曹司であるヒル・アンドンが雇った、荒縄のコンコーイ率いる黒服の男達。

はたして彼女を狙うアンドウ貿易の陰謀とは?

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魔術士オーフェンしゃべる無謀編の読んでみた感想・評価

ハードボイルドな文体で個性あるファンタジーの物語を綴る、秋田禎信先生が御送りする、黒魔術士オーフェンを主人公に活躍する、ダークファンタジーの決定作とも言える「魔術士オーフェン」の、ライトな部分を表に出した、コミカルさが売りの物語である「無謀編」は、本編のオーフェンシリーズとは打って変わり、ギャグオンリーな展開で物語が進行していきます。

義姉であるアザリーの行方を追い、約束された道を捨て、キエサルヒマ大陸をあても無くに彷徨うオーフェンが、ようやくにしてトトカンタ市に流れ着き、モグリの金貸し業を営みながら、次の資金を稼ごうとしますが、金貸し業は軌道には乗らず、回収不能な借金に悩まされ、不運で赤貧な日々を送る毎日と、本編ではイメージできない程に、シリアスな雰囲気はまったくにありません。

慌ただしく、そしてクセのありすぎるトトカンタの住人達に振る舞わされていく、あまりにも不幸な彼の日常。

ある時は都市伝説の怪物に追われ、ある時は変人の事件に関わる事になり、そして極めつけなのは、無能警官であるコンスタンス・マギーとの出会いなどと、退屈とは程遠い生活になってしまいます。

また一人では事件を解決もできない、無能なコンスタンスとの出会いが、後のオーフェンの好敵手(自称)ともなる、神出鬼没なトラブルメーカーな変態執事のキース・ロイヤルを引き合わせてしまい、無謀な物語がさらに混迷を深めていくなど、無秩序に吹き荒れる出来事の数々が、オーフェンの日常を面白おかしくに彩らせていきます。

シリアスな本編とは違い、コミカルさが売りな無謀編。

そしてオーフェンの過去こと、キリランシェロと呼ばれていた頃のシリーズであるプレオーフェンと呼ばれている、牙の塔時代を描いた作品など見どころが充実しています。

90年代のファンタジー作品が好きな方におすすめ

あの頃のライトノベルを知っている人ならば、このタイトルを見ればまた読みたくなってしまう、あの懐かしの物語「魔術士オーフェン」のギャグパートとも言える無謀編シリーズ。

1990年代のライトノベルを代表する「スレイヤーズ」と双璧を成したほどに人気を博した「魔術士オーフェン」の、あの「無謀編」を読んだ人ならば、思いだしてしまう筈の、あの懐かしい物語が、再び楽しみたい人におススメな今作。

学生時代を「オーフェン」と「スレイヤーズ」で過ごした人ならば、もう一度読んでみたくなる、あの頃の面白さをそのままに残し、未だに色褪せを魅せない、他の作品では味わえない、あの独特のギャグセンスが読書をさらに楽しませてくれる内容と、昔のままに味わえるあの物語に、心を躍らせた人には、すごく懐かしいライトノベルとも言えます。

また、今のライトノベルを読む若い読者にも、十分に満足させる事のできる濃い内容は、時代遅れとは言わせずに、独特すぎる濃すぎる内容に、心を奪われてしまう事を保障できる作品とも言えます。

シリアスとギャグの使い分けが絶妙なバランスで描かれ、本当に同じ作者が書いているのかと疑ってしまう人がいたくらいに、コミカルなパートで描かれているオーフェンの無謀なる日常は、シリアスの中にある時折の場を和ませるギャグパートを、前面に強くに描いた作品とも言えます。

オーフェンの本編を読んだ人ならば、無謀編にも挑戦すべき、そんな作品です。

魔術士オーフェンしゃべる無謀編
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魔術士オーフェンしゃべる無謀編
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