Occultic;Nine オカルティック・ナインのネタバレと感想【無料立ち読み】

タイトル Occultic;Nine オカルティック・ナイン
原作・作画 志倉千代丸・pako
出版社 オーバーラップ

現在アニメも放映中のオカルティック・ナイン。

作者はゲームやアニメで日本中を感動の渦に巻き込んだシュタインズ・ゲートの企画・原案を担当した志倉千代丸さん。

ゲーム会社の会長を務めながらゲーム制作にも携わり、更に作詞作曲もできてその上、小説まで書けてしまうという志倉さん独自の発想が冴え渡る群像劇小説です。

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Occultic;Nine オカルティック・ナインのあらすじ紹介

舞台は吉祥寺、オカルト系まとめブログを運営し、アフィリエイトで一攫千金を目論む高校生我聞悠太はブログのネタ集めに奔走中。

自らを我聞悠太の使い魔と称する成沢稜歌とともに黒魔術代行屋やインターネットで生放送をする美少女占い師など、眉唾もののオカルトネタについて調べ始めます。

そうして書き出された彼のブログ記事を中心にネットで大人気の占い師、黒魔術代行屋、オカルト系雑誌の編集者、BL同人作家、FBI捜査官に超心理学の教授の息子など一癖も二癖もある人間たちとの奇妙な縁も生まれ、事態は思わぬ方向へと進んでいきます。

取材の一環で超心理学の権威でありテレビでも引っ張りだこの大学教授橋上諫征の研究室を訪れた我聞が見たものとは……。

Occultic;Nine オカルティック・ナインのネタバレ・今後の展開

我聞悠太が橋上教授の研究室で見たものは髪の毛を残さず剥がれ苦悶の表情で息絶えている教授の死体でした。

死体を発見してうろたえる我聞の耳に響いたのは、父親の形見であるポータブルラジオから突如発された少女の声。

少女は言います。

「助かりたければいますぐ教授の奥歯を抜きなさい」
我聞はなぜそんなことをしなければならないのかと文句をいいますが、少女の有無を言わせぬ調子に恐怖で動かなくなった身体を無理矢理奮い立たせ教授の奥歯を抜きます。

その歯の先には奇妙な形をした鍵がついていました。

少女は鍵の詳細までは明かさずそれっきりラジオからは声が響いてこなくなりました。

この事件と並行して他の登場人物のところにも妙なことが起こり始めます。

黒魔術代行屋である紅ノ亞里亞のもとには頭皮ごと剥がれた大量の毛髪が届けられ、ニコ生人気占い師である相川実優羽はインターネットの生放送を通じて橋上教授の息子である橋上サライの未来を占い、父親の死を予言したり、FBI捜査官の森塚駿はBL同人作家である西園梨々花の作品の中に事件現場の状況と酷似したシーンがあることを発見したり、と橋上教授の事件に関わることが登場人物の身に起こります。

そして、その登場人物の誰もが我聞悠太の運営するオカルト系まとめブログ「キリキリバサラ」になんらかの形で関係していることがこの作品の最大の謎としてあります。

オカルティック・ナインは現在第二巻まで発行されており、完結はしていませんので今後の展開に注目です。

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Occultic;Nine オカルティック・ナインの読んでみた感想・評価

あのシュタインズ・ゲートの原作者が書いた小説ということで読んでみました。

章ごとに視点となる人物が切り替わる群像劇もので、話の語り口や感情表現も章が変わるごとにガラリと変化する面白い形式になっています。

とにかく、情報量が多いため、読んでいて疲れる部分もあるのですが、それが全く苦痛ではない心地よい疲労感なのです。

シュタインズ・ゲートをはじめとした科学ADVをプレイされたことがある方ならばご存知かと思いますが、そのシリーズを意識して作っている部分があり、作中に登場する固有名詞のほとんどが実在する場所やもので、私たちの生きているこの世界との地続き感が超常的なオカルトネタをリアルに感じさせてくれます。

志倉さんお得意の陰謀論的なネタも随所に盛り込まれており、都市伝説的な話が大好物な私はそうした小ネタを読んでいるだけでも夢中になれました。

登場人物も群像劇だけあってかなり多いのですが、その内の誰もに強烈な個性が与えられており、読み進めていく内に自然とキャラクターの名前や個性が把握できるようになっています。

場面の転換が多く、事件が同時並行的に各所で起こり、その謎が解決されないまま次の場所へと目まぐるしく変化していくのですが、そのめくるめく事件の波に翻弄されるのもまた心地よく、ページをめくる手が止まりませんでした。

現在、発売日こそ決まっていませんが第三巻の執筆は終えていると作者の志倉さんがツイッターでおっしゃっていましたので、期待して続きを待ちたいと思います。

オカルトに興味を持っている方に超おすすめ

志倉さんの関わったゲームをプレイしたことがある人には文句無しでおすすめできる作品です。

未完結の作品ですので作品全体の完成度について言及することはできませんが、導入部での引き込み方はシュタインズ・ゲートをはじめとした科学ADVシリーズの作品どれもに引けを取らないと思います。

また、志倉さんについてよく知らない方でも、都市伝説やオカルト、陰謀論などに興味がある方は楽しく読めると思います。

感想の方でも述べましたが、この作品では吉祥寺を舞台にしており井の頭公園や延命寺(作中では安命寺と改称)など実在の場所も登場します。

全くの創作ですとどこか嘘くささが抜けないような突飛な事件もこうした実在の場所をモチーフに使うことで途端に現実味を帯びてきます。

オカルトをテーマにした作品ではありますが、事件の詳細に科学的な理論も用いられており、普通であればただの妄想だと一蹴されてしまうようなオカルトネタをできるだけ信憑性のあるものにしようという努力もうかがえます。

世間で噂されているような都市伝説やオカルトネタなんて実際あり得ないという否定派の方でも、「もしかしたらそんなことも起こるかも?」と思わせるくらいのパワーがありますので、少しでもオカルトに興味を持っている方ならば楽しめること間違いなしです。

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