タイトル | ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉 |
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原作・作画 | 柳内たくみ・黒獅子 |
出版社 | アルファポリス |
平和な日常に包まれていた新宿に、突如として出現した異世界へと繋がる門──ゲート。
門をくぐり侵略を開始する帝国の軍隊により、新宿は瞬く間に戦場と化す。
警察、自衛隊による防衛出動により撃退するも、それは終わりではなかった。
特地と名称付けられた異世界へと派遣される、自衛隊員達の激戦と日本と帝国との外交問題。
オタク自衛官こと伊丹耀司二等陸尉は、どう動く!?
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉のあらすじ紹介
西暦20XX年。
日本国の新宿は、平和な日常を送っていました。
でも突如として新宿の交差点の真ん中に出現した一つの建造物「門」──ゲートによって、平和は壊されてしまいます。
大材の人々がいきなり現れたゲートに気を取られている中で、その中から中世の出で立ちをした騎士や、ファンタジーゲームに出てくる様なドラゴン、大仰な姿をしたモンスターであるオークやコブリンなどが列をなし出てきたのです。
そして、その異形の集団は瞬く間に新宿の侵略を開始していきます。
殺戮に蹂躙されていく一般市民達。
平和な日常から一転して、新宿は地獄と化していきます。
そんな現場を見て、すぐ様に行動を開始したのは、オタク自衛官こと陸上自衛隊の二等陸尉伊丹耀司でした。
このままでは夏の即売会が中止になってしまうと、警察に身分を明かし、一般市民の避難を誘導させます。
皇居へと逃げ込む一般市民を保護し、警察と自衛隊の連携により、異世界から来た侵略者を撃退するも、それは終わりではなく、始まりだったのです。
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉のネタバレ・今後の展開
夏のオタクの祭典を守る為に活躍した伊丹耀司ですが、事はまだ終わってはいませんでした。
異世界最大国家である帝国による一方的な侵略により、被害を被った日本は、今回の責任者を交渉の場に立たせるべく、異世界こと特地へと自衛隊の派遣を決定しました。
ゲート周辺に陣を構築し、取り戻そうとする帝国軍の侵略を食い止め、特地での行動枠を広げていく自衛隊は、調査の為の偵察部隊を編成します。
伊丹はその偵察部隊の第3偵察隊隊長に任命され、部下と共に異世界の地を進んでいきます。
その途中で、ドラゴンに襲われた村を発見します。
焼かれ消し炭にされたその村はエルフの集落で、唯一に生き残ったエルフの少女──テュカ・ルナ・マルソーを保護し、近くの村で彼女を保護してもらおうとしますが、ドラゴンの来襲により、村人達は避難を開始します。
安全圏まで村人達の護衛をする事になった伊丹達は、レレイ・ラ・レレーナと邂逅し、その道中で、死と断罪の神・エムロイに仕える亜神ことロゥリィ・マーキュリーと出逢います。
そしてその護衛の中で、突如してドラゴンが来襲してきてしまいます。
村人達を襲うドラゴンに交戦を開始する自衛隊員達。
はたして伊丹達はドラゴンを撃退する事ができるのでしょうか?
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉の読んでみた感想・評価
異世界を舞台に活躍する自衛隊員達の活躍を描いたライトノベル作品である、「ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」は、ミリタリーファンタジーの展開が楽しめる作品です。
異世界から突如として侵略を開始した帝国軍を、警察と自衛隊によって撃退するも、帝国側と交渉する為に異世界へと自衛隊を派遣する事になった日本ですが、汚染されていない土地や未知の可能性がある異世界を狙う諸外国の陰謀などに巻き込まれていきます。
ただ自衛隊が異世界で無双すると単純で単調な展開は無く、現実感のある国家間の問題なども、如実に作風内に取り入れられています。
容易に動けない、また安易に交戦できないと、国家の防衛手段である自衛隊がライトノベルのエンターテイメント内において、シリアスな部分を内包している事に、この作品の独特な面白さが演出されています。
ただ無敵に勝ち続ける自衛隊ではなく、異世界で奮闘する事で、面白さを演出した今作は、ありふれた戦記ものではない面白さが込められた作品でもあります。
戦記モノのライトノベル作品が好きな人へ
戦記モノのライトノベル作品が好きな人や、自衛隊が活躍する軍事作品を読んでみたい人におススメしたいのが、今作の「ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」です。
異世界へと派遣された自衛隊員達。
法律と道徳も価値観もまるで違う異世界の地で戦う事となり、帝国内部や日本を取り巻く陰謀などに巻き込まれていく、主人公のオタク自衛官こと伊丹耀司の活躍が見どころとなる作品でもあります。
気難しく進むようなミリタリー戦記モノでは無く、時にはシリアス、時にはギャグのテイストを上手く使い分け、作品を面白く演出する内容に加え、もし自衛隊が異世界に行ったのならばと、独特なエンターテイメント性などが存分に楽しめる内容となっています。
異世界で無双し、無条件で活躍する作品ではなく、今作にはミリタリー物のリアルな政治的な問題も演出され、もし日本に本当に異世界へと行くゲートが登場してしまったらと、リアルな緊張感なども描かれている部分にも注目があります。
新感覚のミリタリーとファンタジーが融合した戦記モノを読んでみたい人に、是非におススメできる今作。
是非戦記小説を読む人におススメしたい作品です。