タイトル | ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記 |
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原作・作画 | 浜松春日・飯沼俊規・match |
出版社 | アルファポリス |
そこは現代地球とは別の世界にある国。
その国は存亡の危機に立たされていた。
最期の抵抗をと遥か時空を世界の隔たりさえも超え世界を救う勇者を召喚しようとした者がいた。
召喚の代償として己を犠牲にした天使の少女は現代日本で国連平和維持部隊に参加するため出航する自衛隊の艦隊を対象に選ぶ。
これは竜が空を舞うファンタジー世界に召喚されたある自衛隊部隊の奮闘戦記である。
ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記のあらすじ紹介
現代地球、アフリカの紛争が激化しテロリストにより国連施設が攻撃された。
その後反政府軍の弾道ミサイルによる都市攻撃が行われてしまう。
この暴挙を止めるため国連は米英を主軸とした軍事行動をも辞さない平和維持軍派遣を決定する。
しかし紛争調停の難しさから国連加盟国の足並みは揃わない。
そんな折、米国より日本に後方支援のための派兵を要請される。
折しも某国による弾道ミサイルの脅威を払拭する機会をうかがっていた日本政府はこれを受け入れる。
最新鋭イージス艦と陸上自衛隊部隊を乗せた輸送艦、補給艦等総勢5隻による事実上戦闘部隊の海外派兵であった。
しかしアフリカにつく前に部隊は謎の現象により見知らぬ世界へと誘われるのであった。
ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記のネタバレ・今後の展開
異世界では古代に有翼人種による高等文明が存在していました。
人間が繁栄する今現在は謎に包まれた文明です。
その一端を受け継いだと思われるフィルボルグ帝国は世界統一の野望を胸に大陸最強国家だった神聖プロミニア帝国を滅ぼします。
この時最期の抵抗に有翼人の少女を生贄に勇者召喚の魔法が使われます。
結果的に現代日本で海外派兵の途中であった自衛隊艦隊を呼び寄せます。
いきなり周りからの通信が途絶え、あまつさえファンタジーにでてくるような人魚や巨鳥に戸惑う自衛隊員。
とりあえず近くの陸地にある国家と接触します。
しかしそれは平和な日本とはかけ離れた戦争への序曲でした。
最初に接触した国の名はマリースア。
フィルボルグ帝国の軍事的圧力に対抗する小国でした。
自衛隊の出現にマリースア国軍は困惑しますが女王陛下の命により友好的接触となります。
しかし事態はそれだけでは終わらなかった。
帝国が一方的に宣戦布告、強大な軍事力を行使し王都を陥落させようと侵攻を開始したのです。
まだ戦力が整っていない中火の手があちこちにあがります。
女王と謁見していた自衛隊員たちは王城近くまで攻め入ってくる帝国軍の非道さを目にします。
市民はおろか女性や子供も容赦なく切り捨てる帝国兵。
専守防衛が信条であっても見捨てることはできるはずありません。
なんとか王国軍と自衛隊の奮戦によりなんとか持ちこたえます。
しかしそこへ巨大な影が襲い掛かります。
ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記の読んでみた感想・評価
異世界に自衛隊といえばアニメ化もされた「ゲート」を思い出します。
あの作品は明確な主人公がいて要所要所で陸上自衛隊の援護が入ります。
しかしこの作品は自衛隊隊員すべてが主人公です。
ひとりのワンマンな活躍ではなく部隊として連携しています。
時に王国軍の援護も期待できます。
これはこの作品ならではの特徴だと思います。
現代の軍隊は高度な組織であり相互に援護し合うことではじめて強力な力を発揮するのです。
作中で自衛隊艦隊はPKO活動としては異例の大量の兵器弾薬を積んでいます。
しかし異世界での戦闘は楽ではありません。
少し気を抜き何気なく死の淵に立たされることがあるのです。
異世界であっても例え科学力が劣っている敵であっても油断はできないのです。
そこは戦場なのですから。
実際にイージス艦の戦闘能力がなければ打ち破れない竜や科学をあざ笑うような強大な魔法が自衛隊や王国に襲い掛かります。
有翼人の少女が何故戦闘経験のない自衛隊を対象に選んだのかも気になるところです。
純粋に戦闘能力だけなら米軍空母艦隊のほうがすさまじいでしょう。
自衛隊は日本でも軍とは認められていません。
日本という災害の多い国にあって人命救助に尽力する自衛隊は戦闘力など関係なく尊敬されるべきとおもいます。
自衛隊に軍という名称は似合わない、人など及ばぬ自然の驚異に立ち向かい精一杯頑張ってくれている隊員さんに失礼だと思います。
という心象も交えて気になるのはファンタジー世界で科学の力がどこまで通用するのかでしょう。
自衛隊と魔王みたいなのやでかい竜が闘ったらどうなるのかとか思うと胸が熱くなり、美人な将軍閣下や大鳥にのったボーイッシュな少女たちとの交流に胸が高鳴ります。
これからの展開に期待をこめて。
ファンタジー系の作品です
「異世界に現代兵器」で反応する方はとても好みでしょう。
自衛隊の圧倒的火力で打ち破る的なものを期待してもダメです。
このファンタジーにはどこぞのゲームにでてくるような実戦仕様の魔法が存在しています。
強大すぎて現代兵器をも凌駕しています。
まあ条件付きで滅多に出てこないでしょうが。
ファンタジーといえばドラゴンでしょう。
もちろん登場します。
魔法で燃える剣もでてきます。
魔法使いは並みの武器など寄せ付けません。
全く効かないのではなくあくまで個人の力量において強いのです。
つまりヒットポイントを削る的な行為が必要になります(もちろんゲーム的な描写はありません)。
相手は魔物や人間です。
ライフル持っててもそう簡単に勝たせてくれないのです。
正当派ファンタジーで魔法を操る敵は現代地球の科学力をもってしても互角なのです(一部負けてしまうかと思われる描写もあります)。
どれが残酷な描写になるのか不明ですが戦闘描写はとても迫力があります。
自衛隊側も人道的に問題のある行為は見受けられないので安心して読めます。
今後に期待しています。