タイトル | 涼宮ハルヒの憂鬱 |
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原作・作画 | 谷川流・ |
出版社 | KADOKAWA / 角川書店 |
平凡な高校生活を送るものだと思っていた入学初日。
偶然か、それとも必然か、同じクラスになってしまった美少女──涼宮ハルヒは、声高々に言う。
「ただの人間には興味ありません。
この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。
以上」
と、いきなりの予期もせぬ堂々たる発言に驚く間もなく、普通の高校生──だった筈のキョンは、宇宙人に未来人と超能力者と関わり、ついには世界の命運までも引き受けてしまう事になってしまう。
日常が非日常ではなく、超常となってしまった普通系男子高校生と超常系女子高生との微妙な非日常と日常を行きかうスクールコメディ「涼宮ハルヒの憂鬱」
青春とは大冒険である。
涼宮ハルヒの憂鬱のあらすじ紹介
かつては空想に憧れを抱いていたが、高校生ともなると、そんなものがないと気づいてしまう。
大人になる経験を当たり前の様にし、かつては悪の組織と戦う英雄に憧れ、美少女を救い、地球を救う英雄などに憧れもしたが、自分がそんな存在になれるわけでもなく、ましてそんなものにされてしまえば、はた迷惑でしかない。
サンタクロースが実在しないと、あれは優しい大人の嘘であり、その嘘を認めたくがないゆえに、幼い頃は気づかないふりをして生きていた。
やがて現実が広くも狭く、空想と現実の境目に気づくも、もしかしたらと淡い期待をどこかで抱きながらも、日々を生きていた男子高校生である、いつしか周りから「キョン」と呼ばれるようになってしまった自分が、彼女──涼宮ハルヒと出会った事で、憧れを抱いていた筈の非日常どころか超常による超常の日々と人生を歩むことになるのは、想像もしなかった。
普通の人間に興味はない、と。
宇宙人。
超能力者。
未来人。
いたら私の前に出てきなさい、と。
あまりにもエキセントリックな自己紹介の後、クラス全員が固まったのは言うまでもない。
兎にも角にも……これが彼女との出会いであり、宇宙人と超能力者と未来人との奇想天外な出来事の始まりだった。
涼宮ハルヒの憂鬱のネタバレ・今後の展開
いきなりのストレートすぎる自己紹介をしてしまった涼宮ハルヒは、普通ならば眉目秀麗な才色兼備の万能な美少女でもありますが、周囲からはいわゆる「変人」として見られていました。
また性格も女性ながらに唯我独尊と傍若無人に猪突猛進な性格をしており、男勝りかつ極端な負けず嫌いな性格をしており、感情の起伏が激しく、誰よりも退屈を嫌う性格をしていると、違う世界に生まれて居れば、間違いなく主役になれてしまうような逸材でもありますが、彼女は特別な存在でもありました。
それは……彼女は「世界を思い通りに歪めて空想を現実にする力を持っており、神に等しい存在」だったのです。
本人はそんな力が自分にあるとは気づかずに、自分の夢を叶えるために「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的としたSOS団を結成してしまいます。
でもその部に入部した、させられてしまったメンバーが、本当に宇宙人や未来人や超能力者だったのです。
情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースこと、解りやすく言えば宇宙人の長門有希(ながと・ゆき)や、ハルヒを観測する為に送り込まれた未来人である朝比奈みくる(あさひな・みくる)に、ハルヒによって覚醒してしまった超能力者である古泉一樹(こいずみ・いつき)などなど、言葉だけでは信じられない様な面々。
そんな彼と彼女らからハルヒの秘密を説明され、最初は半信半疑どころか全く信じていなかったにもかかわらず、三人が巻き込む超常な現象に振り回されていき、ハルヒがとんでもない存在であると自覚する事になってしまいます。
では何故に、普通の自分が彼女の傍にいるのかと疑問を持ちますが、彼ことキョンこそが、彼女を動かす原動力であり、鍵でもあると重要な位置にいる事を明かされてしまいます。
そしてついには、ハルヒとキョンの二人だけが閉鎖された世界に囚われてしまう事に……
はたして世界はどうなってしまうのでしょうか?
涼宮ハルヒの憂鬱の読んでみた感想・評価
今回ご紹介する「涼宮ハルヒの憂鬱」は、日本でも最も有名なライトノベルの一つとして知られており、谷川流先生の代表作とも言える作品であり、国内では800万部の販売を記録し、世界15カ国で日本のサブカルチャーを紹介する作品として発売され、文庫に漫画とアニメに劇場版などで有名になったライトノベル作品です。
ジャンルは「学園小説にSFセカイ系と恋愛モノ」と銘が打たれており、作者自身はこれを、「ビミョーに非日常系学園ストーリー」と銘打ち、誰もが焦がれてやまない、非日常がもし叶ってしまえばと、誰しもがかつて想い抱いただろう世界を、ライトノベルとして作品化したのがこの作品でもあります。
自分が世界の中心であると知らない美少女ハルヒ。
そんな彼女を動かす事の出来るきっかけでもある主人公のキョン。
ありきたりでありふれた、ごくごく平和で平凡な日常だったにも拘らず、高校生になってしまい、それまでの生活が一変してしまうと、非日常を望む人が密かに憧れている、そんなシチュエーションが余すことなくに描かれ、また宇宙人に超能力者に未来人と、非日常の存在と共に、ハルヒが巻き起こしてしまう騒動を解決していくと、冒険にSFと、学園モノでは欠かせない青春群像劇な少しの恋愛模様など、思春期に抱くであろう、空想へと幻想へと焦がれる全ての想いが凝縮され、冒険を経て成長していく課程や、様々な冒険を堪能できると、実に読み応えのある作品でもあります。
これぞライトノベルと思える内容に、21世紀のライトノベルを代表する作品とも言える今作。
新しい感覚を生み、かつて望んだ青春を叶えてくれる良作です。
2000年代を代表するセカイ系ラノベ作品!
高校生活にかつて夢見た想いを思い出したい方や、満たされぬ青春の想いを燻らせている人に読んでほしいのが、この「涼宮ハルヒの憂鬱」です。
この作品をアニメで知った方が多いと思います。
またこの作品を名前だけは知っていると言う方も多い筈。
この作品は2000年代を代表するライトノベル作品として有名になった作品でもあり、新しい形のセカイ系作品の始まりとも言われているライトノベルでした。
学園モノを舞台にしたセカイ系作品は、主に青春群像劇が支流でもありました。
恋とそれに悩む男女の思春期の想いを綴る作品であった、セカイ系。
その中で、新しい表現と感覚を盛り込んだのが、この「涼宮ハルヒの憂鬱」でした。
セカイ系の中でも、SFとファンタジーなどなど、色々なジャンルを織り込み、また盛り込みながら、思春期に抱くであろう、少年と少女の無限の夢や想像がもし、全てかなってしまえばと、そんな未知なる想いへの具現化を文章にし、作品にしたと言えます。
誰もが焦がれていても、叶う事の出来ない非日常と、退屈な全てをひっくり返し、自分が思うがままの世界へと変えてくれる超常な現象。
そんな夢をありのままに描き、胸躍るだろう、かつて抱いた夢を叶えてくれる作品。
もし自分が何かに迷っている時に、もし何か晴れていない満たされていないと、思い悩んだ時に読んでみれば、そんな満たされない気持ちの何かが解るかもしれない、そんな迷いを晴らしてくれる助け船ともなってくれる、そんなライトノベルです。