タイトル | 聖女の魔力は万能です |
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原作・作画 | 橘由華・珠梨やすゆき |
出版社 | カドカワBOOKS |
毎日働いて働いて残業続きの主人公が突如異世界に召喚された。
異世界では魔物を生み出す瘴気が蔓延、それを取り除く「聖女」を必要としていた。
それまで瘴気による被害が続発する場合必ずどこかに「聖女」は現れたが今回は何処にも現れなかった。
そのため王国は違う世界から「聖女」を召喚することに一縷の望みを掛けたのです。
そして現れたのは主人公ともう一人の少女。
そう召喚は成功した。
しかし何故か2人だった。
聖女の魔力は万能ですのあらすじ紹介
残業は当たり前の主人公が異世界に召喚された。
「聖女召喚の儀」その世界では人類の脅威となる魔物が瘴気から発生し普通に存在した。
それまでは魔物の被害が増大するとき国内に瘴気を浄化する「聖女」が現れていました。
瘴気を浄化することにより魔物の発生を抑制できるのですが、今回はどこにも「聖女」が現れない。
被害だけが拡大し国の対策も限界が見えてきています。
このままでは魔物によって国土が蹂躙されてしまう。
王や重臣により歴史上一度だけ成功した異世界からの召喚に望みを託します。
儀式は成功したかに見えましたが召喚されたのは2人の女性。
文献や今までの歴史では存亡の危機に現れる「聖女」はたった一人です。
どちらが聖女なのか判別不能。
なのに国の第一王子は少女をお気に召したようで颯爽とエスコートし立ち去ってしまいます。
とり残される主人公はこの対応に憤慨します。
こんなところにはいたくないと。
召喚された場所(王宮の一角)更にはこの国からも出ようとする主人公を必死で周りの重鎮は引き止めます。
「聖女」がどちらなのかそれとも二人とも「聖女」なのかわからないから。
主人公も盗賊や魔物が出没する危険いっぱいの世界であることが分かり慣れるまではとひとまず思いとどまります。
これはそんな普通の女性が異世界で生活する物語です。
聖女の魔力は万能ですのネタバレ・今後の展開
異世界に「聖女」として呼ばれた女性ふたり。
方や第一王子の手厚い庇護のもと貴族も通う学校に入り勉学に、また騎士団連れてのレベル上げと順調な成長ぶりを見せます。
その裏で主人公は王宮で豪華な一室を与えられます。
ただし基本はほったらかし。
現代日本に慣れ極度に娯楽も少ない異世界。
数日で退屈になり王宮周りの散歩を敢行、そこで薬草園と一人の青年ジュードと出会います。
HPポーション。
現代にはなく異世界では一般的な魔法的アイテムの存在を聞き興味を持ちます。
現代で仕事の傍らハーブに興味をもっていた主人公は薬草に関して研究する薬用植物研究所に研究員として居つきます。
主人公が作成するポーション類は効果が通常より高く他の研究員からも注目を集めます。
そんな中魔物討伐を任務として出撃していた王国第3騎士団が大型の魔物と遭遇、大きな被害を受け撤退してきました。
(魔物自体は討伐完了) 身体に傷を負った団員達を治療するため多くのポーションを提供する薬用植物研究所。
主人公の作成したHPポーションも駆り出されます。
この時ひと際重傷を負い命も危ぶまれる騎士団長を主人公はポーションで回復させます。
こののち第3騎士団長アルベルト・ホークは主人公の人柄に好意を持ちいろいろ気にかけるようになります。
ただ主人公はいままで仕事一筋であり恋愛的な好意に気づきません。
(騎士団長の二つ名が「氷の騎士様」で当然イケメンです)この後魔法に興味をもって魔導師団にいってみたり魔法の能力の高さに驚かれたりします。
(当然のごとくここでもイケメン眼鏡様が登場します。
)一連の騒動で評価を上げる主人公。
小説終盤やらかしてしまいます。
聖女の魔力は万能ですの読んでみた感想・評価
主人公の性格は好ましく思いました。
現代日本で社会人。
残業続きで人間の「何か」を忘れていた主人公。
でも異世界で趣味を仕事にしてのびのびと生活する描写等や日本人にありがちな真面目さも発揮されていて好感が持てました。
実際王子の対応はどうしようもない奴である証明。
国が滅びる前兆でしょう。
一方国王やその側近はかなり気を使っています。
いろいろイケメン様も出てきますが主人公に命を救われ性格にも惹かれる第3騎士団長は別格として薬用植物研究所のジュードや魔道士もなかなか出来る人です。
(魔道師さまはお国の事情で関わっているようでしたが)王国上層部が主人公の国への心象が悪化しないよう気を配りながら「聖女」なのか遠まわしに策略を巡らせるシーンも物語のアクセントにちょうどよいと思います。
こういう話ではいろいろなイケメンに言い寄られるのが主体になるのかと思いましたが意外に一人を対象としているところがいいです。
最後に主人公がやらかしてしまうシーンで主人公の性格についてとても共感できました。
あえて載せませんが実際に読んで感動してください。
普通の恋愛ものに飽きた方におすすめ!
従来の男性向け女性向け小説にありがちな誰もに恋愛的好意を向けられる主人公がいまいち分からない人などにお勧めします。
人の魅力はさまざまですが恋愛の対象になるのは一人で充分ではないでしょうか。
また本当の幸せをつかめるのもたった一人の運命の相手だけでしょう。
見た目は所詮見た目に過ぎず人の真意まで反映するものではないと思います。
もちろん身だしなみに気を付けるのは最低限人間として必要ですが。
また人の善意を感じてみたい人にもお勧めです。
最後までみればきっと作品の魅力に触れられることでしょう。
基本ほのぼのとしています。
魔物が世界を席巻する異世界ですから闘っている騎士団に被害が出たりしていますがなんとかなっていますし。
そしてこの話の初めから載せられている驚異の主人公のステータス。
普通っぽくて普通でない能力など興味をそそられる要素満載です。
こののちを知りたい人はぜひ買いましょう。
1巻の表記がないので売り上げ次第で打ち切られるのは御免ですので。