タイトル | 賢者の弟子を名乗る賢者 |
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原作・作画 | りゅうせんひろつぐ・藤ちょこ |
出版社 | マイクロマガジン社 |
映像だけなら現実世界とさほど変わらない体験をできる技術が存在する世界。
技術はゲームにも取り入れられVRMMOというジャンルを開拓した。
主人公(男性)は1プレイヤーでゲーム世界では賢者として名を馳せる。
そんな中あるきっかけで自分のキャラを理想の女性(あくまで想像上の)に変えてみた。
ほんの気まぐれで。
その直後気を失い目が覚めたら異世界だった。
それだけでなく気を失う前に作成した女性キャラクターの姿で。
賢者の弟子を名乗る賢者のあらすじ紹介
VR技術が確立した現実世界。
ゲームでも採用されVRMMOという新たなジャンルが開拓された。
主人公(男性)もVRMMOを使用したゲームのプレイヤーで使用するキャラクターは彼の理想の男性像を具現化したものだった。
やがて九賢者の一人と称され尊敬を受ける大魔法使い(某洋画に登場するような)になります。
そんな主人公はあるメールを受け取ります。
課金残高が期限切れで消滅します。
そんな内容のメッセージに残額を確認、唯一残金で買える「キャラクターの容姿を変えるアイテム」を購入。
今の姿に尋常でないこだわりをもつ主人公ではあったがふと理想の女性の姿を想像しキャラクターを作り変えてみることにした。
あくまで気の迷いではあったのですが。
この直後気を失い目が覚めるとなにもかもが現実になったゲームに似た世界だった。
それも気を失う前に作成していた理想の女性の姿で。
能力は変わらなかった。
かつてゲームの中では「軍勢のダンブルフ」と呼ばれ召喚魔法を多数同時に操る大魔法使いそのままに。
彼女(彼?)はゲーム内の仲間が同じくこの世界にいることを知り会いに行く。
主人公の友人たちはゲーム内で建国しておりその国自体が異世界であるこの世界にも存在していた。
知り合いは国王と各魔法の達人九人の賢者たち。
しかし国王と魔術の達人である賢者とは会えるが他の賢者は行方不明だという。
また彼女が現れた世界はゲームの世界に酷似した異世界であり彼女がプレイしていた時より30年が過ぎていた。
30年の間に大戦争や現実になったゆえの技術革新も起きていた。
国が豊かになり大戦争の混乱からの復興が終わりに近づいていて新たな脅威のため九賢者捜索が急務となっているのでした。
賢者の弟子を名乗る賢者のネタバレ・今後の展開
主人公は同じくプレイヤーの建国の王からある依頼を受けます。
10年前に起きた魔物たち(悪魔)の大侵攻。
各国は疲弊した国力を取り戻すため休戦条約が締結された。
戦争の混乱から落ち着き休戦条約の期限もあと1年。
再び人間同士の戦いが始まりそうになっている現在。
国の安全のため要となる他の行方のしれない賢者を探すことを。
唯一の手がかりはゲーム中で使っていたフレンドリストが有効になった時期を国王が確認していたこと。
この世界には主人公たち以外にもプレイヤーがいてそれぞれ違う時期に現れています。
各人は主人公が九賢者捜索の旅で関わってきます。
ゲーム世界では古株な主人公もこの世界では初心者です。
ゲームが現実になったために起きた技術革新で当時とは魔法も科学も発達しています。
巨大な蒸気機関車での旅。
召喚魔法で呼び出した幻獣に乗り移動したりもできます。
また現実ゆえにバリエーションの増えた魔法に主人公は興味津々です。
九賢者捜索は大悪魔の登場やダンジョン探索など危険なものばかり。
ただでさえ現実になって広いのにその中から他の7人を探さなければなりません。
しかし姿は変わっても能力は大魔法使いその力で幾多の困難も乗り越えていきます。
またたびたび起こる下級悪魔の関わる事件、モンスターの大発生など小説版オリジナルの謎が伏線としてひかれています。
賢者の弟子を名乗る賢者の読んでみた感想・評価
異世界でゲームが現実に。
今時結構ありがちな設定ですが緻密な魔法の設定と現実になったゆえの応用方法、特に主人公の使う召喚魔法。
作中で召喚魔法の覚え方について説明があるのですが召喚する相手ははじめから自分ひとりで倒さなければなりません。
ゲームでは失敗しても死に戻りで復活可能ですが現実になったため倒せなければ死亡してしまいます。
それゆえ召喚魔法は使い手が極端に少なくなっているとか召喚した巨大ドラゴンで飛行移動すると当然ながら街から見えて通報されています。
また九賢者捜索の旅のなかプレイヤーが起こした事業であるのか幕ノ内弁当(ハンバーガー等もある)やアップルオレのようなジュース、便利な寝袋などのアイテム他奇抜なホテルから老舗の日本風旅館などがでてきます。
これらを主人公がワクワクしながら見回ります。
旅の雰囲気の描写はとても緻密といえます。
このように戦闘抜きでも細かい設定にあふれている作品です。
(もちろん戦闘描写も細かく次召喚魔法により呼ばれる幻獣はなにかなど楽しみに読めます。
)これから先10年前に起こった魔物の侵攻についての謎を本題に九賢者の個性的な性格を垣間見つつ旅の臨場感を楽しめそうです。
戦闘面では「軍勢」という異名どおりの活躍があるのでその驚異的な能力に対する悪役側をどうもってくるのか興味が尽きません。
また作中に九賢者レベルのプレイヤーは他の国にもたくさんいることになっていますのでその関係がいつでてくるのか、他の戦士系を使用する達人もいるはずなのでどういう扱いになりもし戦闘になればどちらが強いのかなど期待しています。
召喚魔法に焦点を当てている描かれている作品
旅の風景が緻密で弁当から旅の宿選び夕食の描写等さまざまな部分が細かいです。
主人公魔法使いだと最強攻撃魔法使いでしょう。
隕石を呼んだり火球を放ったりと派手な部分が多いイメージです。
実際この作品にも派手な魔術が存在しますがあえて召喚魔法に焦点を当てています。
召喚した騎士の異様な描写もまた緻密です。
なので設定がしっかりした作品で魔法使いが好きな人にお勧めいたします。
また残酷な描写はほぼないというかいまのところは出ていません。
作品に暗い描写がなく基本明るい雰囲気で進行していきますのでそれらを心配することもありません。
(残酷なシーンが多い作品は少なくないのでそのタイプをあまり好きでない方は安心です。
)戦闘描写について触れてきませんでしたが期待して間違いありません。
神々しい戦乙女やカイザードラゴン、高位精霊に術の進化など小説ならではの自由な発想による戦闘があります。
そもそもこういうファンタジーもので大魔法使いそれももともとがゲーム中で異名を持つほど活躍していたとの設定ですので戦闘は盛り上げるのが当然ですから。