| タイトル | 中古でも恋がしたい！ |
|---|---|
| 原作・作画 | 田尾典丈・ReDrop |
| 出版社 | SBクリエイティブ |
二次元美少女（注意・処女にかぎる）と恋仲になれるエロゲーを嗜む、隠れオタクな高校生こと新宮清一は、ひょんなことで札付きの悪こと、不良美少女の綾女古都子のフラグを立ててしまう！
清一の為に古都子は、彼好みのツインテールが似合う、黒髪清楚系美少女になる決心をする事に！
そんなオタクと不良の絶対不可侵のヒエラルキーを越え、結ばれる為に奮闘する恋の物語の行方は如何に？
中古でも恋がしたい！のあらすじ紹介
美少女と恋人となり、その先には添い遂げた彼女と……と、そんなエロゲーを趣味にしている、隠れオタクな高校生こと新宮清一は、家族が出払った家で、エロゲーを楽しんでいましたが、攻略すべきヒロインが、なんと非処女だったのです。
彼氏がいた過去があったと、この娘は天使だと思っていた彼女が、非処女……つまり中古だったと、彼は怒りのままにパソコンを蹴り、ゲームソフトを割ってしまう程に憤慨してしまいます。
かつての小学生の時に患ってしまった女子のトラウマのせいで、二次元ゲームの美少女との恋愛に固執するようになった彼は、いつしかゲーム内の美少女も、処女のヒロインしか認めない程に拗らせていました。
そんな患いを抱いた彼は、ある晩にエロゲーを購入した帰り道に、ある現場に出くわしてしまいます。
それは……茶髪にピアスといかにも不良な少女が、複数のＤＱＮな男達に襲われていたと、見過ごす事の出来ない現場でした。
でも清一は、喧嘩がからっきしなオタク青年。
ＤＱＮな男達に勝てるわけも無く、ここはと、知恵を使って乗り切ろうとします。
それは携帯電話を使い、警察に電話をすると、オタク青年ならではの、当たり前の行為でした。
ＤＱＮな男達は慌てて止めようとするも、清一は携帯電話をもう一つ使い、パトカーのサイレンを鳴らします。
警察が来たと勘違いしたＤＱＮの男達は、慌てて逃げていきます。
清一は胸をなでおろし、その場を後にしますが……それが自分の通う学校の不良美少女である綾女古都子である事に気づいていませんでした。
そして、彼女が一目ぼれをしてしまった事にも気づいていませんでした。
中古でも恋がしたい！のネタバレ・今後の展開
翌日、何事もなくに朝を迎え、清一は学校へと通います。
親友である外崎啓太と、何気ないオタク談義を交わし、いつも通りの学生生活を始めていきますが、一つだけ大きな変化が訪れてしまいます。
それは……学内一危険人物として恐れられていた、不良美少女の綾女古都子が、清一に挨拶をしてきたのです。
何故に不良の彼女が自分なんかに挨拶をと疑問符を浮かべる間もなく、授業が始まり、彼の一日は過ぎていきます。
そして翌日には……茶髪にピアスといかにも不良だといった姿ではなく、黒髪のツインテールの清楚系美少女に変貌していた綾女古都子に、手作りの弁当を手渡されてしまうと、なんともリア充な展開へと流れていきます。
何故に不良である彼女が、清一にこんな不器用なアプローチを掛けるようになったのか、それは彼女が、あのＤＱＮの男達に襲われていた女性であり、なんと彼に一目ぼれしてしまったからでした。
でも相手は札付きの悪と、清一は彼女の交際を断ってしまいます。
それでも何とか清一の好みの女性になろうと、奮闘する古都子。
色々と空回りしながらも、清一への純粋な想いを見せる彼女に清一も心を動かされていきます。
やがて古都子の悪いうわさが独り歩きしたデマだと知り、彼女に抱いていた偏見を改めていきますが、そんな清一と古都子の関係を面白く思わない人物の悪意が迫っていました。
中古でも恋がしたい！の読んでみた感想・評価
エロゲー好きなオタク青年と、そんなオタク青年に恋をしてしまった不良美少女の恋愛をテーマに描かれたライトノベル作品である「中古でも恋がしたい！」は、「小説家になろう」で人気を博したライトノベル作品でした。
スクエア・エニックスで漫画化にドラマ??化されるほどに、人気を博した今作は、普通ならば相反する位置にいる、オタクと不良少女の純粋な恋愛がテーマになっています。
主人公の新宮清一は、小学生の頃の女子のトラウマにより、現実の女性との恋愛に臆病になってしまった過去があると、女性へのトラウマの為に、二次元エロゲーのヒロインにしか恋心が抱けないと、実に濃いオタクな青年です。
そんな彼に危ない所を助けられてしまった、ヒロインの綾女古都子は、その容姿ゆえに周りから札付きの悪と誤解を受け、援助交際をしているなどの悪評を流されているヒロインでもありました。
でも古都子が不良として見られる様になってしまったのは、両親の離婚でぐれてしまった事や、またその容姿ゆえに、偏見を持たれ、周囲から流されてしまった噂でしなかったのです。
古都子は、根は優しく真面目でと、意外に乙女な美少女で、襲われているところを助けてもらった清一の事を純粋に愛している等、また彼の事を大切に想っている等と、純愛な展開で物語は進んでいきます。
でも清一は彼女に相応しい男性なのかと悩むなどの葛藤などもあり、容易ではない恋愛の難しさなどもテーマに物語は描かれていきます。
見た目ではなく、その人の本質を知り、成長していく物語が主軸となる今作は、成長していく男女の恋愛を読みこめる作品です。
少し変わった恋愛小説を読んでみたい人にまずおススメ
純愛系な恋愛ライトノベル作品が好きな人や、少し変わった恋愛小説を読んでみたい人にまずおススメしたい作品でもあります。
不良美少女とオタクな青年の恋愛と、今までにありそうでなかった内容がテーマとなっている今作。
オタクな彼の為に、彼が好きそうな女性像になろうとする、おもいっきりにベクトルが間違っていそうな努力をするヒロインの古都子と、そんな彼女の想いに戸惑うも、恋愛に臆病になってしまっているオタク青年な清一との恋愛は、波乱の連続となっています。
不良として見られている偏見や、オタクとして見られている偏見など、この作品を通して見れるのは、主人公の清一とヒロインの古都子の持つ、それぞれが抱える個人的な問題が根幹のテーマとなっています。
清一はかつて小学校の頃は、それなりに活発な少年でしたが、ある少女とのトラブルで現実の女性に対してトラウマを抱えてしまう過去があり、また古都子も家庭に問題を抱えている等と、互いに自分だけではどうしようもない問題を携えている二人。
そんなそれぞれの問題に向き合い、解決し、互いの事を意識するようになり、それぞれの事を考えるようになると、ハーレム展開な恋愛要素ではなく、純愛な装いのある青春群像の表現もされているところに、この作品の面白さがあります。
偏見を持たれ、偏見を持つ、そんな位置にいる二人の男女の恋の物語は、互いに知り、変わろうとする男女の成長の物語として楽しめる内容の作品とも言えます。
