アリソンのネタバレと感想【無料立ち読み】

タイトル アリソン
原作・作画 時雨沢恵一・黒星紅白
出版社 KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

孤児院で育った一人の少年と一人の少女。

少年ヴィルはやがて物静かな学生となり、そんな彼と共に育った幼馴染の少女アリソンは飛行士となった。

再び出会う二人が繰り広げる小さな冒険が、多くの人を救う大冒険となっていく。

これは、そんな偉大な切っ掛けを作りだす、彼と彼女の小さな冒険の物語である。

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アリソンのあらすじ紹介

その世界に一つしかない、ジャガイモを浮かべた様な大きな大陸では、長い年月をかけて争いを続ける、互いを川向こうと呼ぶ「ロクシアーヌク連邦」と「ベゼル・イルトア王国連合」があった。

二国間は、西暦三二八七年を迎えても、争いを止めようとはしなかった。

長い歴史の中で起こってしまった大戦争の後、二つの国の間に休戦条約が結ばれ、ルトニ河を挟み、互いに領土を決め、不可侵条約を締結した。

しばらくの間、二つの国は緩やかな時間が過ごしていた。

誰も戦争で死なずに、いつ起こるかもしれない戦争の準備をしながら進む、そんな穏やかな平和な時代の中で、同じ孤児院「未来の家」で育った、とある少年と少女は、再び出会うことになる。

少年の名前はヴィルヘルム・シュルツ──仲の良い知り合いからは、ヴィルと呼ばれ、成績優秀で頭も良く、射撃の腕も自慢できる青年へと成長し、ロウ・スネイアム記念上級学校の5年生となっていた。

そんな彼の幼馴染である、少女の名前はアリソン・ウィッティングトン──アリソンは、ロクシェ空軍所属の軍人となり、飛行機乗りの飛行士となっていた。

金髪碧眼の美少女となり、美しい飛行士の女性となった彼女。

同じ孤児院で育ち、共に時間を過ごしていた二人。

ひょんなことで再び出会った彼と彼女が、一つの大陸で永く争い続ける二つの国の大きな戦争を終わらす切っ掛けを作る事を、まだ知らないでいた……
そして二人が共に歩んでいく、はじまりの物語である事も知らない。

アリソンのネタバレ・今後の展開

孤児院を出てから久しぶりに出会ったヴィルとアリソンの二人は、久しぶりの邂逅の中で近況を話し合います。

アリソンはヴィルの事が大好きで、昔からずっとそんな気持ちを押さえながら、17歳になる今日まで生きていました。

素直に自分の気持ちを告白できないまま、アリソンは軍人となり、伍長となり、飛行士として活躍していました。

アリソンは飛行士となった近況を報告し、でも女性だからと戦闘機乗りにはしてもらえない事に不満を漏らします。

そんな彼女の愚痴を聞いてくれるヴィル。

また驚く事を彼に報告してしまいます。

それは……川向こうの国である「ベゼル・イルトア王国連合」の軍人であるカー・ベネディクトにラブレターを貰ったと報告します。

切っ掛けは、二国間の間でとり行われた合同の水難救助訓練でした。

新聞では人の死なない訓練だと皮肉交じりに報道された、川向こうの国との合同訓練の際、アリソンはベネディクトに話しかけられた経緯をヴィルに話します。

そんな事を話せば、ヴィルがヤキモチを妬いてくれるだろうと思いましたが、彼は二つの国の間で手紙のやり取りを、しかも軍人同士が手紙のやり取りができる事がすごいと言い、別の意味で驚いていました。

そんな彼に自分の素直な気持ちを言えないまま、二人はサイドカーに乗ってドライブに出かけます。

そのドライ分の中でヴィルは射撃大会に出て6位になったとアリソンに報告し、アリソンはすごい事だと驚きます。

そんな何気ない会話の中で、彼と彼女は偶然にある老人と出会ってしまいます。

その老人は「ホラ吹き爺さん」と呼ばれる人でした。

そんな彼から、ある宝物の話を聴かされます。

その宝は、この戦争を終わらせることのできる宝だと言い、それはどんな宝石よりも価値のある宝だと言います。

はたしてその宝とは一体?

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アリソンの読んでみた感想・評価

時雨沢恵一先生による、少年と少女の冒険活劇を題材にしたライトノベル作品が、この「アリソン」です。

この作品の世界観をイラストで表現するのは、時雨沢恵一先生の同作「キノの旅」でイラストを手掛ける黒星紅白先生と、豪華な仕様で発表されました。

このライトノベル作品はシリーズ累計100万部以上の人気を記録した作品となり、またゲーム化にテレビアニメ化と幅広い活躍をし、後のシリーズも「一つの大陸の物語シリーズ」として続刊されるほどに、多くの読者を楽しませた作品でもあります。

キノの旅とは違い、少年と少女の冒険活劇と、かつて見た昔懐かしい雰囲気を持ち、また童話の様な、独特の温かみのある内容を前面に出し、小さな事件の始まりが、大きな出来事となり、それが世界を変えていく物語となっていくと、流れる様に進む物語の展開と表現が、読めば美しいと、そして暖かいと思える文体の流れが、この作品の最大の見所とも言えます。

読者を魅了させてくれる、この物語に何故に魅かれてしまうのか?
それはこの作品には、冒険への憧れが詰められているからです。

キノの旅は、全体を通して「旅」をテーマにした作品であり、それはありのままに進んでいく世界の残酷さを取り入れ、生きていく強さを前面に出した作品ですが、この作品「アリソン」には、世界を変えようとする、少年と少女の勇気が「冒険」として全面に出された作品とも言えます。

「キノの旅」とは違い、冒険活劇としての側面を持つ今作は、かつて見ただろう、少年と少女の物語を思い起こさせてくれる深い内容があります。

そんなかつての思い出を思い起こしたい方におススメな作品です。

少年と少女の冒険活劇が読みたい方におすすめ

「アリソン」は、かつて少年と少女の物語を見て、感動し、夢中になってその作品を読んでいた方に、読んでもらい、かつてのそんな気持ちを思い起こしてほしいと思える、そんな作品です。

かつて見た童話のような懐かしさを持つ今作。

それは初めて文字だけで綴られた世界を読み、その文体の流れを目で追い、読み続けたあの頃の気持ちを思い出させてくれる、幼き日に読んだ童話の感動を思い起こさせてくれる内容になっています。

終始、優しく語られる少年と少女の物語。

互いに何も解らぬままに時間を過ごし、共に時間を過ごしていく中で育まれる想いや、少年と少女の間にあった、言い表せぬ複雑な気持ちが、明確のものとなっていく課程など、青春群像を含んだ内容となっており、またかつて読んだ人には懐かしく思い、またその懐かしさを含みながらも、新しく思える、かつての冒険活劇に新しい息吹を含んでいる作品が、この「アリソン」にはあります。

またこの作品の最大に見せ場となるのが、飛行機の描写にあります。

果てない空をどこまでも飛んでいけるような、浮揚感を抱かせてくれる文体は、彼と彼女の小さな冒険を大きく彩らせ、それを躍動感のある文体で演出され、物語を大きくして行きます。

冒険活劇をありのままに描き、それはありふれたものではなく、新しいものとして描く作風は、かつて童話を読んで感動した人に新しい息吹を与えてくれる、そんなライトノベル作品でもあります。

アリソン
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