| タイトル | 転生したけど、王子（婚約者）は諦めようと思う |
|---|---|
| 原作・作画 | 鬼頭香月・緒花 |
| 出版社 | 一迅社 |
この本は、小説投稿サイト「小説家になろう」にて掲載されていた作品を加筆、修正し、新たなエピソードを追加して書籍化されたものです。
良くある、乙女ゲームの悪役令嬢に転生したお話とは一味違う、主人公達の心の動きに共感できる作品です。
舞台は特殊だけど、描かれているのは、現代と変わらない、恋に揺れ動く年頃の男女のラブストーリーで、『大好き』から『愛おしい』に変わってく様子をお楽しみください。
転生したけど、王子（婚約者）は諦めようと思うのあらすじ紹介
公爵令嬢のクリスティーナは、ある日、自分が恋愛ゲームの恋敵役に生まれ変わったことを思い出します。
婚約者のアルベルト王子に恋をしていた彼女は、何時からか彼から素っ気ない態度をとられていると自覚し、彼の心のはもう、自分に無いのだと分かり愕然としてしまいます。
そして、王子からこれ以上嫌われないように、クリスティーナは邪魔をせずに、彼とヒロイン、クララが結ばれる運命を静かに受け入れる決心をします。
しかし、クリスティーナが何もしなくても、ゲームの様に物語は進んでいきます。
本当に、二人は結ばれることはないのか。
すれ違った二人の誤解がとけたとき、クリスティーナの、アルベルト王子の隣にいるのは、いったい誰なのか…
二人のハッピーエンドは、ゲーム通りか、それとも……
素直になれない令嬢と、プライドが邪魔する王子の切なく甘いラブストーリーここに解禁。
転生したけど、王子（婚約者）は諦めようと思うのネタバレ・今後の展開
物語の主人公、ノイン王国宰相の一人娘、クリスティーナは、銀色よ髪にアメジストのような澄んだ瞳を持つ、女神のような美しい少女です。
そして、もう一人の主人公、アルベルト王子もまた、恵まれた長身に、軍部で鍛え上げられた立派な体躯の美丈夫で、当たり前のように、この美男美女は婚約者同士です。
二人は幼い頃に決まった婚約者で、ずっと一緒に育って来ました。
しかし、クリスティーナの十五歳の誕生日にアルベルトから贈られた髪飾りを彼女が見たときから、物語は動き出します。
その髪飾りを見て、クリスティーナは前世の記憶を思いだし、この世界が前世でプレイした恋愛ゲームで、自分がライバル役だと気付いてしまいます。
いっそう、奪われる運命なら、好きにならなきゃ良かった
クリスティーナはそう思ってしまいます。
クリスティーナは、舞踏会に行く準備にも身が入らず、いつもは嬉々としてアルベルトからのプレゼントを身につけるのに、この髪飾りはつける気にもなれず、彼が迎えに来てくれても、素直に喜べません。
舞踏会では、ヒロイン、クララとアルベルトが出会い、仲良さそうに話している姿をみて、一瞬で彼を奪われたと思ってしまいます。
そのあとに王妃と、王女のお茶会に招待を受けたクリスティーナは王宮を訪れますが、そこで、クララと会い、クリスティーナがクララに意地悪をしたと、アルベルトから誤解を受けます。
それから、二人は疎遠となってしまい、クリスティーナは、やっぱりヒロインには敵わないのだと思い、彼を諦める決心を固めだしてしまいます。
後日、舞踏会で久びさに顔を合わせる二人、誤解は解けるのか、ハッピーエンドになるのか、必見です。
転生したけど、王子（婚約者）は諦めようと思うの読んでみた感想・評価
元々「小説家になろう」で読んだことがあって、本当にこの作品が、作者様が大好きで、書籍化と聞いて、すぐに買いました。
買ってから新たなエピソードがあると気付いて、ずっと二人の続きを妄想してたので嬉しかったです。
絵も綺麗で、妄想していた、クリスティーナ、アルベルト以上に可愛く綺麗で、格好良かったです。
設定というか、舞台が、よくある、乙女ゲームへの転生というので、銀髪のアメジストの瞳っていうと、私の中では悪役令嬢の定番なんですが、クリスティーナはつり目と言うより団栗眼の澄んだ瞳で、優しい印象を持てました。
悪役令嬢のように気が強いと、王子を諦めようとはしないんですけどね。
読み進めると、クリスティーナのいじらしさが可愛くって、もう、アルベルトなんてやめちゃえって何度思ったことか。
アルベルトも格好いいんだけど、クリスティーナにはヘタレてて、格好いい所だけ見てほしいのは分かるんだけど、そればっか気にしすぎて、クリスティーナの気持ちに気付けてないのが駄目だなって思います。
アルベルトの立場上、クリスティーナばかりを気にかけてあげられないのは分かるんだけど、年頃の女の子は、複雑な恋心を持ってるから、言葉と態度で示さないと伝わんないよって、突っ込みながら読んでいました。
新たに追加されたエピソードでも、ふたの前に、高い分厚い壁が立ち塞がります。
なんで、邪魔するのって思っちゃう壁が。
物語全体でいい仕事をするのが、王女、アンナ様。
ちょっと我が儘で、気が強いんだけど、本当に二人のことを考えてくれる、優しい子です。
というか、登場人物の中で、本当にクリスティーナの気持ちを慮ってくれてるのってアンナ様だけだと思う。
王妃様も考えてくれてそうだけど、あんまり登場しないからわからないけど。
二人のキスシーンは、エロちっくで、クリスティーナが可愛い。
何より、小さい頃から大人に内緒でキスしてたとか可愛すぎるエピソードですよね。
あと、二人の誤解がとけたとき、アルベルトが顔を真っ赤にして、クリスティーナに愛を囁くシーンも萌えます。
あんなに、冷静で格好いい男を演じてたのに、やっぱり、大切な愛おしい彼女の前では、格好つけれないんだなってアルベルトが可愛く見えますよ。
そして、格好いいアルベルトもいます。
クリスティーナのピンチを、華麗な剣さばきで救うシーンは、バックに月もあり、格好よさ倍増中ですよ。
ファンタジー・ラブストーリーが好きな方におすすめ
普段、ファンタジーのラブストーリーを読まない人にも読みやすい作品だと思います。
舞台が特殊なだけで、テーマとなるのは『恋』と『愛情』です。
愛し合う男女の愛情、親子の愛情、兄弟の愛情が読み取れると思います。
恋って、ファンタジーでも、現代でも、根本的には一緒で、
好きだからこそ、不安で
好きだからこそ、相手を知りたくて
好きだからこそ、相手を傷つけて
好きだからこそ、相手に何も言えない
そんな、想いを誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
大人になると、何処かで打算的な恋愛になると思います。
この本を読むと、頭では、心の中ではこんなにも、相手へ想いが、愛情が溢れているのに、口には出せないもどかしい気持ちや、相手の言葉や態度に一喜一憂していた甘酸っぱい恋愛を思い出すと思います。
やっぱり、言葉にしないと伝わらない想いってありますよね。
態度だけでわかる人もいると思いますが、言葉にすることで、より、自分の想いが伝わりやすく、より、自分の想いを自覚するとおもいます。
勝手に嫉妬して、空回り、何をするにも、プライドと見栄が邪魔をする、それでも、不器用でも、格好悪くても、自分の、思いを伝えた言葉は、どんなプレゼントよりも心に染み渡る。
きっと、読み終わると大切な人に想いを伝えたくなります。
